第37回永井4段が教える日本拳法コラム| 〈前拳って何のために打つの?〉

 

 

おはようございます

こんにちは

こんばんは

f:id:jiyuukai:20181213091717j:plain

 

 

 

最近ダイエットを諦めた永井です(;_;)

年末のライジンに自由会のKさんと私の高校時代の日本拳法同期、小西拓槙選手が出場することとなりました。

テレビに映るかどうかはわかりませんが日本拳法がバックボーンの選手となりますので応援お願いいたします!

彼の左ストレートは紛れもなく日本拳法で培われた物だと思います👍

拓槙のパンチは痛いでぇー

 

youtu.be

 

最近分け合って近畿大学拳法部にお邪魔する事がありピチピチの学生さんと練習させて頂きました。

近畿大学の学生さんは山上選手が指導しているからか組み技やフィジカル的な部分が非常に強くなかなか苦戦を強いられました。

 

そういえば前拳全然打ってないなーと思い使用してみると効果抜群で余裕を持って練習できるようになりました。

1人全然勝てる気がしない選手がいてその選手の特性の回を次回以降に書こうと思っています…

 

そんなこんなで前拳の秀逸さを改めて実感することが出来ました。

 

上記キッカケもあり前拳について再度考える機会がございましたの

本日のテーマは…

「前拳って何のために打つの?」

となります。

 

ここからが前段です笑

日本拳法って前拳で一本取ることってほとんど見たことありません(真っ直ぐパンチ)

なのにどうして打つの?って疑問に思う時期もありました。

ボクシングだったらダメージの蓄積とかあるんでしょうけど…

迷走してた時期は前拳なんていらんやろ?って思う時期もありました笑

 

とはいえ現役当時なんも考えずになんとなく打ってる前拳は秀逸でペースを握ったり、ピンチを救ってくれることもあり、今回の近大での気づきも含めて使用しない手はないと思います。

 

 

それでは私が思う前拳の利点をいくつか抜粋してお伝えさせていただきます💪

いつものことながら初心者から中級者向けの話となります。

 

前拳はその名の通り構えの前の拳で真っ直ぐ打つってのを前提とします。

 

①ローコストで効果抜群

コスト=体力・リスク・体勢維持・モーションなど

蹴れば片足になるリスクがあります。

後拳を避けられるとスキを狙われます 

全力のパンチは体勢を崩すかもしれません

ラッシュしたら体力の消費は激しいです

組みに行けば間抜かれたり体力を消費します

アッパーフックはストレート系に比べ距離が短いので使い所は考えないといけません

などなど多少のコストがかかります。

※上記技も非常に有効な技です、レベルが高くなればコストを極限まで減らすことが可能と思います

 

そんな中でも前拳は非常にローコストで様々な効果をもたらしてくれると思います。

体勢が崩れず、相手に最速で当たり、最短のモーション、それでいて前手なので長距離の攻撃としても使用できます。

また、選手の性質によっては前拳で相手を下がらせるなどストレス、プレッシャーの対象とすることも可能です。

一本になることは少ないので上記とは別ジャンルかもしれませんが

試合を組み立てていく中で非常に使い勝手が良い技と思います。

 

この①ローコストであることが下記の内容全てに連動します。

 

 

②牽制「目的となる戦略活動を不自由にする」

前拳を当てることにより単純に痛かったり、怖がったり、強い攻撃であれはどうしても意識してしまいまう、早い攻撃に反応させられることにより、対戦相手の本来したいことや行動、思考を邪魔することができます

また行動途中で被せる事による行動の強制キャンセルや行動を一瞬ストップさせる効果もあり当てられるとリズムを崩してしまうケースも少なくないと思います。

上手くいけば試合中パフォーマンスの低下や前に出る意思を削ぐことも可能です。

 

 

 

③保険的要素

相手の後拳などに対して前拳で相打ちすることができれば3回に1回ぐらいは相打ちとなり相手の一本をかき消す可能性があります。

また前拳を先に当てる事により相手の攻撃から身を守ることもあると思います。

とりあえずどうしょもなくヤバイ時は前拳出してみて下さい!うまくいけば助かるかもしれません

 

 

④相手を翻弄、反応させる

②と連動する部分もありますが、前拳に脅威を感じさせることができれば過剰な反応、勘ぐり、迷いなどを起こさせることができることもあります。

その過剰な反応に次の攻撃を被せることが出来れば優位に戦いを進めることが出来るかもしれません。

また、前拳を餌にしたり反応させてカウンターを狙う選手もいるみたいで

ある選手は前拳で相手の反応をみて相手のタイプを見極めるとも言っていました←私じゃないのでどこまでホンマかわかりませんが笑

と連動しますが前拳後の行動に脅威を感じさせるのも前拳が相手を翻弄、反応させる原因です。

 

 

⑤「ローコストが故に次の行動に移りやすい」

他の攻撃に比べて比較的体勢が崩れないのが前拳の特徴の1つだと思います、それが故に次の行動に移りやすいと思います。

理想は前拳で相手をストップさせて次の攻撃で仕留めるですかね?

上手く使えば②③④の後に攻撃を行うことが可能となりますよ!

前拳を起点とした攻撃パターンが多いのは上記理由と思います。

代表的なのがワンツーパンチですね^_^

 

 

 

オススメの使い方

これは私の先生の受け売りになるのですが、全力で打ったパンチを打った際に体勢がくずれたり隙が出来たりすることもあると思います。特に初心者に多いですね

そんな時に体勢崩れや隙を防ぐ1つの方法として最後に放つパンチを前拳にしてみて下さい。それにより前に行った重心ををニュートラル(構えてる時の重心)に戻すことが可能となります。

 

例1…ワンツーをワンツースリーにする

例2…ツー打ったら前拳返す

例3…ラッシュの最後を前拳にする

 

この使用法の良いところは体勢をニュートラルに戻すことにより次の行動に移りやすくなることです!

 

例1…ワンツースリーから一拍おいてワンツー

例2…後拳胴打ちからの前拳後に一拍おいて踏み込んで後拳

 

などなど

コンビネーションや単品パンチなどを繋ぎ合わせての攻撃がオススメとなります。

こういった攻撃を私はフレーズ攻撃と呼んでます!

これはまたの機会にお話させて頂きますが、なんせ前拳をうまく利用して次の攻撃への起点としてみて下さい!

 

 

私がやられた使用法紹介

学生時代に自衛隊が体大に練習に来てくれた際に私より身長の高い選手がいて、その前拳の鋭さに翻弄されました、細身ではあったので前拳潰して組んでやろうと前に突っ込んだ瞬間アッパーを喰らい、想定外すぎて口を切ったのを覚えています。その後は迷いに迷い前拳で刻み殺されました笑

今思うと②④⑤効果だったと思います

 

 

まとめ

前拳は一本になりにくいことを含めても非常に秀逸だと思っていますので、まずは何も考えずにとにかく使ってみて下さい^_^

また前拳だけでも数種類の打ち方があると思います。スピード重視や重さ重視などなど…私はメイウェザー好きなのでL字ガードからスピードパンチを打つのが好きです←日本拳法の動きではないですが笑

色んな形や方法を試してみてくださいね^_^

私がいっていることも間違ってる可能性だってありますし、まだまだ前拳の効果はいっぱいあると思ってますので固定概念抜きにして使用してみて下さい!

 

てなわけで最後は

地上最強の生物

範馬勇次郎さんの名言で締めくくりましょう

 

 世には「飛燕の」「閃光の」「音速(マッハ)の」と呼ばれる技がある。

 

 

「笑っちまうのは これらの技―――――」

「どれも準備(そな)えてる敵には命中(あた)らねェってことだ」

 

 

「ナゼそれが命中(あた)るのか」

 

 フェイントで気をそらす。

 地味で確実な攻撃でダメージを蓄積して、              意識をさせる。

 そのスキをついて飛燕・稲妻・音速の攻撃が決まるのだッ!

 

 

「ところがだ」

「ここに例外が存在する」

「命中(あた)る」

「「来る」とワカっていても」

「身構えていても」

「準備(そな)えていても」

「必ず喰らう」

「世界チャンピオンだろうが その「技」を喰らうことを前提にリングに上がる」

「その「技」とは」

 

 

「「ジャブ」だ」

 

 

「速度のみが旨」

「その意味では骨っぽく」

「漢(おとこ)らしい技とも云える」

 

 

「ジャブこそが」

「近代武術 格闘技における

 最速の技術(わざ)だ!!!」

 

その他コラムまとめは下記から

 

niken-jiyuukai.hatenablog.com

 
 

東京都で開催中!日本拳法 自由会の概要はこちら

 

過去の練習報告・練習動画 体験申込は下記から

https://facebook.com/nikkenjiyuka