第53回永井4段が教える日本拳法コラム|サブウェポンや付属技術を身に着けよう(精度を上げよう) 本気で強くなりたい皆様へpart2>

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今回は本気で強くなりたい皆様へpart2ということで、初級者の方や中級者の方々に
向けた内容となります。
今回も当たり前のことを書いていますが、なんとなくわかっているけど実践していな
かったり、壁に当たっている人に見てもらえたらいいなと思う内容です。
※サブとかメインとかはあえて分かりやすいように、そのうように表現しています。

今回登場する選手は皆様ご存じ角野選手となります。
まずは、この動画をご覧ください。

youtu.be


動画を見て頂いてわかったと思いますが、角野選手の得意技は蹴り技(回し蹴り)で
す。
ここでは角野選手の得意技蹴りを「メインウェポン」とさせて頂きます。
感覚的にですが、角野選手は蹴り技での一本が多く、七割くらいは蹴りで取っているイメージがあります。
ほぼ蹴り技で勝っている選手なわけですね

高校~大学2回生にかけては、「蹴り技だけ気を付けろっ!」という対戦相手側の応
援内容はもはや名物となっていました(笑)

大学2回生の終わりごろまでは、蹴り技を警戒されてか決め手に欠ける試合が多く泥仕合で勝つケースが多かったです。1本対0勝ち多かったなー
勿論スカっと勝つこともありましたが・・・
余談ですが、蹴り技を警戒していない自衛隊選手などには大金星をあげることもよく
ありました!

大学2回生の後半くらい、ジャパンオープンくらいから泥仕合ではなく、しっかり2本
勝ちして勝ちだすようになり3回生の頭くらいからは泥仕合をほとんどしないくらい
キレある拳法に変化することができました。

有名になり前よりも蹴り技を警戒されているはずなのに、蹴り技での一本がむしろ増
えたような気がします。

どうして、こんなことが起こったのか…


それは・・・

「サブウェポン」を身に着けることができたからだと思います。

※サブウェポンとはメインである蹴り以外の武器のことですね。
イメージは普段はロケットランチャー使ってるけど球切れなったらハンドガン打つ的
な(笑) 

彼が身に着けたサブウェポン
①    まず、彼の課題はパンチが大振りになったり手打ちになったりしていたこと
でした。
お世辞にもうまいと入れるパンチレベルではなかったです、まともに一本取れるのが
オーバーハンドのカウンターくらいでした。とはいえ蹴り以外の武器で一番まともに
使えるのがこのパンチだったので2人で課題を乗り越えようと話をしたものです。

課題を克服すべく1~2年生にかけて彼はあるパンチの練習をずっとしていました。
※私が邪道拳法の為、基礎を教えれなので色んな人にも色々お手伝い頂きました。本
当にありがとうございました。


それは、「いきなりの左ストレート」です。


日本拳法ではサウスポー選手が良く使うイメージの技で、相手に対してできる限り
ノーモーションで左ストレートを打ち出す技のことです。

元々大振りが多かった角野選手はこの技を取得したことにより、蹴り技による胴以外
への攻撃レパートリー(一本取れるレベルの)が増えました。

②    回し蹴りが得意だった彼は非常に前蹴りが苦手だったのですが、ひたむきな練習が実を結び前蹴りを取得することができました。これにより、直線的な蹴りを使用することができるようになりました。
トーナメントで勝ちあがる際に前蹴りを多用するようにもなりました。

少し話飛びます、日本拳法の性質上、前蹴りは非常に有効と考えています。
以前のブログ第4回にて前蹴りの解説しているので是非見てください。
用心しながらブログ書いてる私ですが、前蹴りについてはめっちゃ自信もって書いて
います。

強くなりたい方!是非、前蹴りを・・・

少し脱線してしまいました(笑)

③    角野選手は大学1回生の際に自衛隊や総合であたる予定だった山上選手への対策として組対策なるものを身に着け、よほどの選手でない限り投げられなくなりま
した。しかし、投げられないことと投げることは=ではなく・・・組技の利点や投げられない強みを最大限に生かすことができませんでした。
組技が強い利点は一本とれば試合を終わらせれることにあるので!

そんな彼は、属性が違う技術を1つの流れで使用する技を身に着けました。
いわゆる「刈り倒し」って技ですね!

この技を身に着けたことにより、体格が小さな相手や油断している相手などに楽して
勝ったりすることができ、トーナメントでの勝ち上がりが楽になりました。
体格もあるので、高レベルでないにしろ組技がメインでない選手であれば戦えるレベルの組技になったと思います。
また、刈り倒しを覚えたことにより組技の経験が増えたのか、組みのレベルが向上した気もします。

この①②③のサブウェポンを身に着けたことにより蹴りなしでも一定レベルであれば戦えるレベルの選手となりました。
勿論サブウェポンなので高レベルではないですが、この①②③を使用することにより

メインウェポンである「蹴り」が前よりも当たるようになったのです。

なんでこんなことが起こったのか・・・

単純な話ですが、蹴り以外を警戒しないといけなくなってしまったことが理由だと私は考えています。

当たり前の話なんでしょうけど、新たな武器を手に入れるということは攻撃パターン
が増えますし、蹴りを警戒すればパンチが、パンチを警戒すれば蹴りが当たるという
風になります。
また、組もできるようになったので組を警戒している選手への膝蹴り当たりやすくなったような気もします。

さらに①②③を覚えたことにより色々噛み合ったのか、彼の強みを残したまま一気に
今のレベルにまで駆け上がったと思っています。3回生の時はケガさえなければ優勝確実とさえ思えるくらいでした。

このようにサブウェポンを取得することにより、一気にすべてが噛み合って壁を乗り越えるケースはよくあると思います。
強いのに勝てない選手は自分の強みを最大限引き出せていない可能性があります。
サブウェポンには、その強みを生かす鎹となる可能性を秘めています。

角野選手のケースはサブがメインを高め、メインが高まることによりサブが活きるという好循環が生まれました。

ちなみに白虎大会グランドチャンピオンだった谷選手も前蹴りの名手でしたが、彼の蹴りが当たる要因は蹴り以外の技に破壊力があったからだと思います。勿論前蹴りの鋭さは私が知る限りNo1です。
※彼の場合はメインといっても過言ではないくらいのパンチ技術でした。オールラウンダーで蹴り技が特化しているイメージですね!

本日はもう1選手紹介させて頂きます。

 

youtu.be

 

大阪学院大学OBの朝飛選手です。
この選手は決して有名選手ではないですが、日本拳法通ならば知っていると思います。
選手としての特徴は小柄な選手ですが電光石火の攻撃で相手の意識の合間を抜く、抜き系の攻撃が特徴です。
有名選手キラーであり 大型選手キラーで、まさにジャイアントキリングをよくする選
手だと思います。
巧さ特化選手ですね!パンチがめっちゃうまいんですよ!

パンチ巧いパンチ巧いとは言いますが着目ポイントはパンチではありません。
朝飛選手は小柄な選手なので大型選手に正面から向き合ったり、同時に打ち合いをすると絶対に負けるはずです、しかし、大型の選手にしっかりパンチで勝っています。


その理由は「パンチを当てる為の付属技術がとびぬけている」からです。

決してパンチだけが巧いわけではなく、パンチを当てる為の間合い、踏み込み、タイミングなどの技術が充実しているからパンチが当たるのです。そして、朝飛選手の動画をみるとそれを実感することができると思います。


パンチ以外の技術が噛み合っていたから結果パンチが巧い!
パンチの巧さ=間合いや立ち位置やタイミングなどの付属技術も含めて巧いと考えてください。


パンチが巧いのに勝てない選手には是非、パンチを当てる為の付属技術を取得してほしいと思います。


以前紹介した才能開花した檜皮田選手はパンチはもともとうまかったので、当てるための技術を取得したことにより、無双モードに突入することができました。
そして、色んなことが噛み合うと成功体験を数多く体験できるので勝手に強くなれるみたいです!
角野選手もそうでした、彼も壁を破ってから一気に駆け上がっていったと思います。

私の好きな漫画、喧嘩家業で付属技術うんぬんかんぬんの話があり凄く面白かったのでよかったら喧嘩家業十三巻!見てみてくださいね!

ちょっと話がそれましたが、今自分に足りないものは何なのか、何を取得すれば今あ
るメインを生かすことができるのかを考えて技術の取得を行っていみてはいかがで
しょうか?

あと全部がメインウェポンといえるくらい全ての技術の精度を上げることができれば理想ですね☺️