第46回永井4段が教える日本拳法コラム|属性が違う技術を一つの流れで使用する② 本気で強くなりたい皆様へpart1〉

数日前、自由会のKさんが黒帯をとられたみたいです。
本当におめでとうございます!そして、2段、3段を必ず取れるポテンシャルをお持ちの方と私は確信しております☺️
もっともっと強くなって拳法ライフが楽しくなることを願っています!
2段なったらもっと嬉しいですよ!


なんてったって2段は弐段と書くので漢字がカッコいいのです笑
初めて黒帯撒いた時ってめっちゃうれしいですよねって話につなげたかったんですが、私は黒帯に辛い思い出があり、審判の誤審で三人抜きの2戦目を勝利したのです。
悔しい黒帯昇段でした。

2段になるまで罪悪感が強く気分も悪い数ヶ月でした。
あの罪悪感のお陰で頑張れた部分もあるのかもしれません!・・・暗い話すいません
 
本題に移る前に余談ですが、今回の属性が違う技術の話は私の大好きな漫画ケンガンアシュラ14巻にて大久保直也選手が単品の技術で劣っているので複合の技術で向かっていくシーンを見て、そういや日本拳法でもこういう選手がいることや・次はこういうこと指導したかったことを思い出し、このテーマを書くことをきめました。


ケンガンアシュラめっちゃおもろいので是非読んでみてね(特に14巻)
 
ここからが前回からの続きとなります。


日本拳法をしている選手の中で立ち技と投げ技を違う競技と考えている人(潜在的に)が結構多い印象です。
 
どういうことかというと、例えばキックボクシングと柔道って別々の競技ですよね?


別個で考えている人は立ち技のときはキックボクシング、投げ技の時は柔道みたいな感じで2つの技術を別個競技として日本拳法を行っている人です。
 
 
この感覚でいくと、柔道家はキックボクサーに立ち技で勝てないし、キックボクサーは柔道家に投げ技で勝てなくなってしまいます。
 
 
でも実際は投げ技で劣る選手が柔道上がりの選手を投げ飛ばすシーンや投げ技主体の選手が立ち技主体の選手に打撃を決めているシーンをよく目にします。


どうしてそんなことが起こるか…それは日本拳法総合格闘技であり、仮にキックボクシングと柔道がミックスされているものが日本拳法とすれば、

 

キックボクシングにも柔道にも単品の時には存在しない技術がそこにあるからです!
 
どうしてそんな技術が存在するのか・・


キックには投げ技がないし、柔道には打撃はないわけですからそれらがあることを想定して戦わないといけないからです。柔道してて殴られることはないですからね(反則はおいといて)


キックにも柔道にもない技術を使うことができれば打撃、投げ技共に劣っていても勝つことができるのではないか…そして、そういう技術こそ日本拳法特融の技術だと確信しております。


また、日本拳法特融技術の一つが今回の「属性が違う技術を一つの流れで使用する」だと思います。
 
端的に言うとキックボクサーや柔道家日本拳法で勝ちましょうってことです。

 
ちょっと言ってる意味わかりにくいかもしれませんね笑
 
ここからがメインです。

 

属性が違う技術を一つの流れで使用する方法


1. 立ち技を餌として投げ技につなげる。投げ技を餌として立ち技につなげる。
相手が意識しているであろう属性の逆を使用します。

フェイントみたいなイメージするとわかりやすいかもしれません。
前回ご紹介させてもらったファブリシオがマークハントに行った膝蹴りの流れがこれだと思います。
 
2. 立ち技の流れから投げ技につなげる。投げ技の流れから立ち技につなげる。

相手目線でディフェンスしている攻撃の属性が変わることによりディフェンスが困難となる。

ディフェンスの種類を変えないといけない。前回お伝えしていた立ち技と寝技のコンビネーションみたいなものです
以前お伝えした刈り倒し(大外刈り零式(笑))などもこの技術の一つにはなります。
 
 
3. パブリックイメージを利用する。↓で詳しく書きます。
 
効 果

今回のテーマは以前ご紹介させて頂いたフェイントや上下の打ち分け、その他相手の意識を翻弄する系の内容の同種であり、さらに高等テクニックと私は考えているのですが、その技術に属性が違うものを加えることができると、コンビネーションや上下の打ち分けのバリエーションが増えるし、相手目線でディフェンス等の選択肢を増やさざるをえない、属性が変わることによる意識の合間を縫うことが期待できます。
 
ではなんで属性が変わるとディフェンス等の選択肢を増やさざるをえないのか、どうして意識の合間を縫えるのか、どう効果的なのか!
 

私は立ち技と組み技は防御の仕方が違うと考えています。

 

もちろん通じる部分はあると思いますが、決定的に違うのが一本判定となるタイミング
が違ことです。
 
 
a.立ち技は当てられた瞬間に一本になる。拳、足などが相手に接触した瞬間に効果
を発揮する。接触時間は短い。接触していない時間は一本にならない。距離が長いものが多い。当たったら痛い…etc
 
b.投げ技は組まれた瞬間に一本になるわけではない、投げ技を耐えることができれば一本にならない。接触している時間が長いが接触だけでは一本ではない
お互い体力の消費が激しい。投げられ方が酷いと息ができなくなる。体格の利や技術の差がより明確にでやすい・・・etc
 
上記に挙げただけでもディフェンスの重きを置く部分が違うと思いませんか?
 
上記を前提として立ち技のディフェンスをしようと思っている人に投げ技をする
投げ技のディフェンスをしようとしている人に立ち技をする
となるとディフェンスの種類を変更しないといけないので効果的と思いません?


仮に競技が違うものとして扱っている相手であれば不意をつくことは容易だと思いませんか?

 

これが属性が変わることの効果だと思います。
 
 

順番かわってしまってもうしわけなかったのですが③のパブリックイメージを利用するを説明します。


前回この技術を使用している選手を数名上げさせて頂きましたがその中で秋葉選手がここに該当します。
 
秋葉選手がハイキックで一本取ってるシーンって結構有名だと思うんですけど、組技最強(特化型最強)というパブリックイメージが秋葉選手の見事なハイキックに繋がっていると私は考えています。


誰もが組技への警戒をしているわけですからね(笑)

秋葉選手がまさか蹴ってくる(属性が違う立ち技)を使用するなんてほとんどの方は考えてなかったと思いますし、なによりそんな余裕はないのかもしれません。
 
白虎会の山上選手(パブリックイメージ組特化型)も後にボクシング世界チャンピオンとなった尾川選手に立ち技で一本をとっています。

 

こんな感じで立ち技のスペシャリストに組系選手が一本とるケースは結構あると思います。
 
逆に山上選手が立ち技系選手にこかされることがあります、

不意を突かれた時や警戒が薄い時にこかされてるイメージがあります。 
組みが強い人は相手が小柄であったり、組が苦手なイメージがあると警戒が薄れる傾向にあるのかもしれません。
 
パブリックイメージが強い特化選手であればあるほどこの技術は生きてくるのではないでしょうか?なぜなら相手はすでに特化していることを知っているのであなたの存在自身がフェイントなのです(笑)
 
パブリックイメージがない相手でも小柄であれば投げ技は弱い、使用してこない。
体格がごつければ組技つかってきそうな気がしませんか?


私もこの98キロの体重で学生時代は組技全然できなかったのに、あんまり組んでくる選手は少なかったですからね(笑)
 
その誰もが抱いてしまう先入観のスキをつくことができる技術でもあります

 


体が小さいくてコンプレックスを抱えている選手、立ち技が苦手な組技選手、今回の技術を使ってみてください。あなたの存在(コンプレックス)自身をフェイントに使うことができるかもしれませんよ!
 
 
偉そうに語っていますが、この技術(考え方)は私自身が選手時代晩年に着手していたものとなりますので、私自身使える技が多くはありません。なので下記動画を見てパクってくれたらいいなと思います。

youtu.be


前川選手の離れ際ハイキック、友中選手の前拳からの朽木倒し、秋葉選手のハイキック、友中選手の立ち技からの投げ等々です。

とはいえ1つくらいお伝えしとかんとカッコ悪いのでとっておきの秘策をお伝えいたします。


※秘策は大袈裟ですが、結構使えるものだと思います。
 
・・・それは・・・
 
「組の離れ際に打撃を打つ」です。
 
組の離れ際は相手の意識が薄くなるケースが多い、何故なら組が終わる時に仕切り直
したいと考える人が大半、何故なら組はしんどいから休憩したい
また組技に対してディフェンスをしているので立ち技へ意識やディフェンスが切り替わっていないケースが多い
※切り替わるとかいってる時点で総合格闘技としてはダメなんですけどね
 
 
逆もまたしかりと思ってください!相手もこれ使ってくることあります。
 
皆様思い返してください、負けた時、なんか負けたとか、負けた感がないとき、なんで負けたかわからんとき、心のすきをつかれていませんか?離れ際に殴られたりしてませんか?
 
こういった技術を使用する以前に敵が使用してくるということを理解してください。
使用できなくても使ってくるやつがいることを知るだけで勝率は多少かわると思います。

なんで負けたかわからないときないですか?ラッキーパンチで負けたって思ってるときないですか?

なんか知らんけど強い選手ってあっけなく勝つこと多くないですか?
相手が意図しなくてもこの技術で負けているケースあると思いますよ!
 
 まとめ


私はこの技術を日本拳法でしっかり使えてる選手は多くはないと思っています。
なので今この技術を取得できれば中途半端な選手には勝てる可能性があがったり、本来投げれない相手を投げたり、自分が劣る部分を補えるかもしれません
 
 
私は強くなるためには工夫が大事・考えることが大事と思います。


勝てない人、勝ちたい人、もしかすると今回の内容は勝利へのヒントになるかもしれません。ならないかもしれません。


当たり前のことを書いているのですが、日本拳法総合格闘技であることを再認識し、日本拳法を使って身体能力で負けている相手も勝てるようになることを祈っています。
私的にはかなり真剣回です!

 

コロナに負けず強くなってくださいね!

ちょっと長なってしまいました笑